風邪とインフルエンザ

風邪の季節になると、「今年の風邪は熱が高いそうだ。」とか「風邪で下痢をしてしまったよ。」「風邪で鼻がぐしゃぐしゃでつらくて、つらくて。」との会話を近頃よく聞きます。

だけど、風邪ってどんな病気なのでしょうか。そして、インフルエンザとはどう違うのでしょうか。

そんな、風邪とインフルエンザのお話をインフルエンザの最新治療を交えてまとめてみました。

風邪とは

風邪(かぜ)をそのまま音読みすると「ふうじゃ」と読めます。中国医学の考えでは「風」という病気の元「邪」により引き起こされる病気と言う意味で、「発熱」「寒気」などを主体とする症状を「風邪(ふうじゃ)」に侵されたと考えていました。これが、日本で一般化して「発熱」「悪寒」「鼻水」「咳」「のどの痛み」「頭痛」「全身の倦怠感」などの症状を引き起こす病気をまとめて「風邪(かぜ)」と呼ぶようになったのです。

風邪の原因と治療法は

ですから、当然のことながらこの病状の中には色々な病気が含まれてきます。「風邪は万病のもと」と言われる所以ですね。普段、「風邪かな」と思っている病状はある種のウイルスの感染によって引き起こされます。そのウイルスの種類によって熱が主体であったり、咳が強かったり、下痢をしたりと様々です。

通常これらのウイルスは体にとっての障害は小さいために、数日間の後には体がウイルスを排除して、治っていきます。そのため、治療もウイルスが体の中で増殖している間の症状を出来るだけ押さえるように薬を用いて、症状を軽くすることに主眼がおかれます。また、ゆっくりと休んでいれば治るというのもこの種の風邪の場合です。

時には細菌の感染によって扁桃腺が腫れ上がることもあります。このときには、抗生物質をしっかりと使うことが必要です。
また、1月の末頃になると起きる花粉症によるアレルギー性鼻炎も一般には「風邪」と思われてきました。この場合には、抗アレルギー剤を使うだけで症状は改善しますが、花粉が飛散している間、飲み続ける必要があります。
他にも、似たような症状で発症して重篤な病気である場合もまれにあります。病状により治療も異なりますので、医師に症状をしっかりと伝えて、診察を受けることが必要です。

インフルエンザとは

インフルエンザは風邪と同じように考えられていますが、正確には「インフルエンザウイルス」という特定のウイルスの感染により起きる独立した病気です。症状としては、急激な39~40度の発熱が特徴で、のどの痛み、咳、痰などの呼吸器の炎症による症状に加えて、全身の倦怠感や疼痛、吐き気、嘔吐の消化器症状も現れます。重篤な場合にはウイルス性の肺炎や気管支炎のため48時間以内に死亡する場合もあります。

治療は、本来ウイルス感染症であるために抗生物質の効果はなく、またウイルスを抑える薬もなかったためにいわゆる風邪と同様に症状に合わせて治療するしか方法がありませんでした。

インフルエンザの新しい治療法

1998年11月、厚生省はA型インフルエンザウイルスの増殖を抑制する薬剤塩酸アマンダジン(シンメトリル)を承認しました。この薬は、今まで国内ではパーキンソン症候群という脳の病気に用いられていましたが、海外ではすでにインフルエンザの治療薬として用いられていたものです。日本では初めて、インフルエンザウイルスに直接効く薬といえます。すでにマスコミの報道でご存じの方も多いでしょう。

その効果は、発熱、倦怠感、のどの痛み、咳等の症状の改善は、2日以降で今まで風邪に用いられてきた薬との比較で、明らかによくなっています。インフルエンザの原因を押さえて、早く直す薬といえます。ただ、この薬はインフルエンザの発症48時間以内に服用しないと効果が弱いと言われています。また、神経の病気の薬としても使われる作用があるため、小児ではまだ安全性が確立していません。たとえ、自分で効いても、子供には分け与えないようにして下さい。

インフルエンザの予防

病気は治すよりもかからないことが一番です。この、塩酸アマンダジンという薬で予防ができないかと考える人もいると思います。当然その作用機序からいって予防効果はありますが、神経にも作用する薬を長期に服用するのは感心できません。

最近、海外ではインフルエンザワクチンが見直されてきています。インフルエンザにかかる危険の高い人は、ワクチンの投与をお勧めします。ワクチンは摂取後10日位してから効果があらわれます。その間インフルエンザにかかった人と接触したとか、家族がかかった方は、このお薬を服用するのも一法です。ただ、予防投与には健康保険の適応がありませんので予めご了承下さい。

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